プロジェクトの概要
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デジタル・トルキスタニカ
中央アジア地域研究のための資料でつなぐネットワーク

 2005年にトヨタ財団アジア隣人ネットワーク・プログラムに採択されたこのプロジェクトは、ウズベキスタンのタシュケントをベースに中央アジア地域研究史資料の所蔵機関/所蔵者をつなぐネットワーク「デジタル・トルキスタニカ」を立ち上げ、民間のイニシアティヴによって、中央アジアやロシアにおいて、散逸・劣化の危機にある重要な中央アジア地域研究史資料をデジタル化し、共有する国際的なしくみを作ること、そして未刊行の中央アジア現地の優れた研究業績を発掘し、同じくデジタル化して共有するしくみを作ることをめざしています。デジタル・トルキスタニカのめざすもの/プロジェクトの流れ

 中央アジア地域研究史資料デジタル化の豊富な経験をもつ、タシュケントの出版広告会社メディア・ランドに「デジタル・トルキスタニカ」本部を置き、希少史資料の発掘、それらのデジタル化の可能性の検討と交渉、デジタル化企画の立案などを行います。 資料のデジタル化はメディア・ランド社の経験を生かしてタシュケントで行い、複製データを「デジタル・トルキスタニカ」本部、史資料の所蔵機関・所蔵者、プロジェクト・リーダーの所属先(京都大学・地域研究統合情報センター)が1セットずつ所有し、それぞれの条件に応じて広く利用に付し、また将来的には著作権の問題がないものについてはインターネット上で公開することを視野に入れています。これによって、従来所蔵先においてのみ閲覧可能であった重要な史資料がより広く利用できるようになり、中央アジア地域研究のための資料基盤形成に貢献するとともに、一般の中央アジア理解を促進するための材料・情報としても役立てることができるでしょう。また同時に、貴重な史資料を所有しながら概して経済的困難から保存の手だてをとることが困難な史資料の所蔵先にとっては、経済的な負担なく史資料の内容の保存と広報が可能になる点でメリットがあります。 史資料の所蔵者・所蔵機関をつなぐネットワークの中でデジタル化の技術も共有していくことが可能です。「デジタル・トルキスタニカ」のネットワークは本プロジェクトの終了後も残り、自立的に運営されていくことが期待されます。(プロジェクト・リーダー 帯谷知可)