『社会と調査』24号
特集 「声を出しづらい人々」と社会調査
2020年3月発行
編集・発行 社会調査協会
B5判 113ページ
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-903473-88-8
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巻頭言
「声なき声」を聞く
岩永雅也 社会調査協会 専務理事
特集:「声を出しづらい人々」と社会調査
論文 1. 調査困難者と社会調査
声を出しづらい人々の声をすくい上げるには
高野和良
論文 2. 結婚差別の経験を聞くことをめぐる「困難」
被差別部落出身者への結婚差別問題の調査をめぐって
齋藤直子
論文 3. 日本語の理解が難しい人びと
2018年・静岡県夜間中学ニーズ調査から
高畑 幸
論文 4. 少年非行調査の課題と今後の展望
作田誠一郎
論文 5. 調査と介入
井上眞理子
Refereed Paper
環境保護意識とゴミ分別行動
権威主義的伝統主義の観点から
保坂 稔・渡辺貴史
宗教は文化活動を支えるか?
SSP2015 調査データによる実証研究
横井桃子・川端 亮
調査の現場から
若年のインターネットパネル管理の課題
梁 承哲
調査実習の事例報告
児童養護施設の就園児童における
生活と退園後の生活支援に関する実態調査
徳島大学2017年度「地域調査演習A・B」社会調査実習の報告
土屋 敦
「福祉国家のワークライフバランス効果」に関する調査
名古屋大学社会学研究室の調査実習
上村泰裕
働く社会調査士
令和に求められる訪問調査
飯田 豊
地域の課題に取り組むことのやりがい
井上雄大
Commentary
潜在クラス分析の概要とポイント
稲垣佑典
Column 調査の達人
P.A.ソローキン
高度に都市化した社会の「都市・農村」の統合社会学から
山本 努
喜多野清一
初期の試行錯誤と晩年の名人芸
池岡義孝
Column 世界の調査/日本の調査
The German Twin Family Panel (TwinLife)
双生児家族パネル調査による社会的不平等メカニズムの解明
敷島千鶴
慶應義塾ふたご行動発達研究センターの縦断調査プロジェクト
20年続く大規模行動遺伝学研究の拠点として
安藤寿康
Column 社会調査のあれこれ
生活困窮者支援の現場と社会調査
稲月 正
男性介護者のネットワーク
津止正敏
私の3冊
「メリトクラシー」から学んだ社会科学の世界
近藤博之
著者が語る社会調査テキスト
『社会調査へのアプローチ──論理と方法』シリーズ
大谷信介
書 評
松尾浩一郎・根本雅也・小倉康嗣編『原爆をまなざす人びと』
後藤範章
中村高康・平沢和司・荒牧草平・中澤 渉編『教育と社会階層』
山本耕平
堀川三郎著『町並み保存運動の論理と帰結』
玉野和志
尾崎幸謙・川端一光・山田剛史編著
『Rで学ぶマルチレベルモデル』入門編・実践編
永吉希久子
仲 修平著『岐路に立つ自営業』
神林 龍
知念 渉著『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー』
大多和直樹
2019年度 社会調査協会賞 受賞のことば
社会調査協会賞について
石田 浩
優秀研究活動賞
金菱 清
『社会と調査』賞
橋爪裕人 / 齋藤曉子
TOP
日本社会では、国際化の動きのなかで外国にルーツをもつ人々が増えている。児童虐待に巻き込まれる子どもたちも少なくない。日本語能力が十分ではない外国籍の方やそもそも言葉を扱えない乳幼児などのように、自らの意思をうまく伝えることができない人たちが直面する困難を、私たちはどのように捉えればよい のか。
社会調査を行うにしても、自身で調査票に書き込めず、意思表示も難しい当事者の声を聞くことは、どのようにして実現できるのか。意思表示の難しさという点では、少年院在院の非行少年のように接触に制限がありコミュニケーションが取りづらい人々もいれば、被差別地域をとりまく複雑な状況のなかで、自ら口を閉ざす人々もいる。本特集では、こうした人々を対象に社会調査を行ってきた研究者の経験をもとに、社会調査の難しさを強調するだけにとどまらず、どのような工夫が必要であったのかや、得られたデータを分析する際に注意すべき点は何であるかを考えてみたい。
平尾桂子「特集紹介」から抜粋