特集 家族のリアリティを調査する 工夫・成果・課題
2022年3月発行
編集・発行 社会調査協会
B5判 122ページ
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-903473-98-7
📚 定期購読のお申し込み先は こちら から
目次はこちら
巻頭言
社会調査士第一世代
谷 富夫 社会調査協会 理事
特集:家族のリアリティを調査する
論文 1. ダイアド・データを用いて親子のリアリティを把握する
「子どもの生活と学びに関する親子調査」の試みから
木村治生
論文 2. ダイアド・データによる夫婦関係の把握
鈴木富美子・佐々木尚之
論文 3. 回顧式家族調査の実際と展望
保田時男
論文 4. 全国家族調査における質的調査のとりくみ
木戸 功・戸江哲理・松木洋人
論文 5. 子育て家庭を内側からみる
継続的な入り込み調査の実践から
伊佐夏実・敷田佳子・志田未来・金南咲季
論文 6. 世帯の境界を超えるステップファミリー
離婚・再婚後の多様な家族関係を捉える
野沢慎司
小特集:社会調査協会における自治体調査支援事業の展開
自治体調査支援委員会とアドバイザー事業の経緯
小特集に寄せて
大谷信介
「職員研修」のポイント
山下永子
「かわさき市民アンケート」調査支援のポイント
大谷信介
「分析過程」アドバイス支援のポイント
浅川達人
川崎市におけるアンケート調査の改善に向けた取組
小沢由香子
調査の現場から
マーケティング・リサーチにおけるオンライン定性調査の最前線と課題
岸川 茂
調査実習の事例報告
「東京の書店」の盛衰をどう調べたか
2019 年度東洋大学における社会調査実習より
新 雅史
東日本大震災からの生活再建に関する多大学連携での社会調査
岩手県大槌町における災害公営住宅入居者への全数調査の実践例
野坂 真
棚田保全に関する社会調査実習
立正大学文学部2019年度「社会調査実習1・2」の事例報告
堀田恭子
工業都市のコミュニティ防災
調査実習教育を振り返って
室井研二
働く社会調査士
アンケート調査で社会をより良いものに
飯村春薫
事件取材に生きた社会調査の学び
山﨑輝史
Commentary
フィールド実験
川田恵介
書 評
前田泰樹・西村ユミ著
『急性期病院のエスノグラフィー ――協働実践としての看護』
小村由香
G. James, D.Witten, T.Hastie, R.Tibshirani著
『Rによる統計的学習入門』
尾崎幸謙
今井 順著
『雇用関係と社会的不平等 ――産業的シティズンシップ形成・展開としての構造変動』
長松奈美江
佐野嘉秀著
『英国の人事管理・日本の人事管理 ――日英百貨店の仕事と雇用システム』
石田光男
林 拓也著
『職業間距離の計量社会学――人々の意識からみる職業の多次元構造』
元治恵子
Column 調査の達人
ライリー・E・ダンラップ
青柳みどり
飯島伸子
歴史的な視点と被害に肉薄する視点
関 礼子
Column 世界の調査/日本の調査
ミャンマーにおける活動的で健康的な高齢者調査
日本老年学的評価研究(JAGES)を参考に
佐々木由理
日本老年学的評価研究(JAGES)
市町村と研究者との共同研究による縦断データ構築
宮國康弘
Column 社会調査のあれこれ
社会調査における歴史的文脈のレリヴァンス
山田富秋
映像で追う「子ども」
フィールドワークと映像実践
南出和余
私の3冊
社会調査と計量分析を学ぶ
石田 浩
著者が語る社会調査テキスト
『社会調査の公開データ――2次分析への招待』
公開データを活用した社会研究の普及・定着を目指して
佐藤博樹
2021年度 社会調査協会賞 受賞のことば
社会調査協会賞について
石田 浩
優秀研究活動賞
永吉希久子 / 藤原 翔
『社会と調査』賞
須藤康介
TOP
社会調査によって家族のリアリティを把握するには、いくつかの困難が存在する。第1に、同じ行為に対する家族成員間の認知(主観的リアリティ)のズレがある。両者を同時に対象としたダイアド・データの取得は、この問題の1つの解決策となる。第1論 文は親子関係に焦点化したダイアドデータによる研究のレビューと独自の調査プロジェクトの紹介、第2論文は夫婦間での認識のズレに着目した研究例になる。
第2の問題は、刻々と変化する家族の実態や経験をどう捉えるかである。パネル調査という方法もあるが、費用・ケースの脱落・テーマの陳腐化等の欠点がある。第3論文は、これらの欠点を考慮して実施された回顧式質問紙調査の試みである。第4論文では、『全国家族調査(NFRJ)』の回答者を対象とした、家族経験についてのインタビューやフィールドワークのデータを、混合研究法での活用も視野に入れた汎用質的データとしてアーカイブ化する試みを紹介する。第5論文は、4年間にわたり、子育て家族を継続的に観察するという意欲的な調査経験から抽出された、視点と知見の報告になる。
さらに、誰を「家族」に含めるかという問題もある。第6論文では、近年増加する非標準的家族の一例としてステップファミリーに焦点化し、「集団論的家族パラダイム」からの脱却とネットワーク論の有効性を論じている。
荒牧草平・多賀 太「特集紹介」から抜粋