『社会と調査』29号
特集 フィールドワークでの「失敗」から得たこと
2022年9月発行
編集・発行 社会調査協会
B5判 108ページ
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-903473-99-4
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巻頭言
特集:フィールドワークでの「失敗」から得たこと
堀川三郎
根本雅也
西村 純
水野英莉
原著論文
伊藤理史
調査レポート
堀 兼大朗
髙松里江
調査の現場から
調査実習の事例報告
安立清史
武岡 暢
働く社会調査士
Commentary
小野裕亮
書 評
藤田武志
福井康貴
大槻茂実
萩原久美子
五十嵐 彰
Column 調査の達人
Column 世界の調査/日本の調査
Column 社会調査のあれこれ
私の3冊
フィールドワークには「失敗」がつきまとう。平たく言えば、「失敗」と感じるのは自分の思うとおりに事が運ばなかったときだろう。とはいえ、未知なるものに出会う、あるいは既知のなかに未知を見出すことが調査なのだから、むしろ想定外の事態は調査を前進させる「チャンス」でもある。
本特集では様々な領域で長年にわたってフィールドワークを行ってきた方々に執筆をお願いし、これまでどのような「失敗」を経験したのか、また、その「失敗」から何を学び、どのように研究を発展させてきた(させようとしている)のか論じていただいた。いずれの論稿も、ただ反省するだけでは不十分であり、とことん「失敗」と向き合い、研究に取り込み、さらにフィールドへと投げ返すことがいかに重要であるのかを教えてくれる。「転んでもただでは起きない」という粘り強さこそが研究を深化させ、さらなる成果を生み出すことにつながる。
普段はなかなか知ることのできない舞台裏を垣間見ることはそれだけで面白く、また勇気づけられる。だが、それは単に調査者のエンパワメントに役立つだけではない。研究領域やフィールドは違っても自分自身の経験と重なるものが多々ある。「裏話」や「失敗談」を共有することは、それぞれの研究の質を高め、学的探求の意義を深めていくことにつながるはずだ。
石川良子「特集紹介」から抜粋
