『社会と調査』36号
特集 働き方の多様性と課題を調査する
2026年3月 発行
編集・発行 社会調査協会
B5判 104頁
定価 1,600円+税
ISBN 978-4-903473-48-2
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目次はこちら
巻頭言
説得力ですよ
安田先生との対話
小林久高
特集 働き方の多様性と課題を調査する
1.国際比較からみた日本の働き方の現在
国際比較の難しさと留意点
佐藤博樹
2.職業横断的数値情報の作成
「job tag」のためのWeb 就業者調査の事例紹介
鎌倉哲史
3.公的統計の解析による働き方の変化・課題の解明
非典型時間帯就労を例に
大石亜希子
4.多様な就業形態と課題の調査
雇用管理区分の変化とジェンダーを例に
大槻奈巳
5.自律的専門職の働き方をめぐる課題と新たな分析視角
当事者にとっての合理性を読み解く
宮地弘子
Refereed Paper
社会問題の構築を分析するために構成主義的GTAを修正する
Kathy Charmaz と Pierre Bourdieu のリフレクシヴィティを比較して
糸数温子
調査の現場から
インターネット調査における国別回答傾向とその不変性
GLOBAL BRAND SURVEY 2025による実証分析
川船英紀
調査実習の事例報告
13年目を迎えた公立中学校調査
仁平典宏・山口ゆり乃・上原真路
都内における同性カップルへの権利保障の展開
明治学院大学社会学部社会学科の2023年度実習報告
上村淳志
働く社会調査士
リサーチからデータアナリストへ広がった社会調査の学び
栗田みどり
逆算×定量の限界
イノベーションを生むデータ利活用
内田 建
Commentary
質的比較分析法(QCA)を社会調査データの整理・分析・解釈に用いる
齋藤圭介
Column 調査の達人
John H. Goldthorpe
理論と調査の連結
白波瀬佐和子
Column 社会調査のあれこれ
社会調査をリサーチヘリテージにするために
復元の現場から
相澤真一
消費者はなぜ環境にやさしい製品を好むのに「買わない」のか
芝田有希
私の3冊
三つの翻訳書
ライフを聴くために
小林多寿子
著者が語る社会調査テキスト
『社会調査のための計量テキスト分析――内容分析の継承と発展を目指して 第2版』
樋口耕一
書評
森 いづみ著『国際学力調査からみる日本の教育システム――教育による〈効果〉と〈格差〉の計量分析』
白川俊之
片山悠樹編著『就「社」社会で就「職」する若者たち――専門学校生の初期キャリア』
多喜弘文
八鍬加容子著『「ビッグイシュー」の社会学――ホームレスの対抗的公共圏をめぐって』
北川由紀彦
小川豊武・妹尾麻美・木村絵里子・牧野智和著『「最近の大学生」の社会学――2020年代学生文化としての再帰的ライフスタイル』
二宮 祐
永瀬伸子著『日本の女性のキャリア形成と家族――雇用慣行・賃金格差・出産子育て』
高崎美佐
大谷信介・盛山和夫監修,自治体調査支援委員会編『自治体アンケート調査ハンドブック』
平井太郎
2025年度 社会調査協会賞 受賞のことば
社会調査協会賞について
石田 浩
優秀研究活動賞
阪口祐介
『社会と調査』賞
小川和孝
『社会と調査』賞
大久保将貴
本特集は,変容しつつある今日の日本の働き方を,多様な調査研究の知見から捉え直すことを目的とする。日本の雇用・労働は,長期雇用や年功的処遇,新卒一括採用に代表される日本的雇用システムによって特徴づけられてきた。その枠組みはこれまで一定の機能を果たしてきた一方で,人口減少や人手不足の進行,技術革新や価値観の多様化などを背景として,今日,さまざまな課題に直面している。働き方をめぐっては,多様な人材の活躍や処遇の公平・公正,生活時間や健康の確保,キャリア形成や職業移動のあり方などの論点が存在する。こうした課題に対処するためには,働き方の実態を捉える調査研究にもとづくエビデンスが不可欠であり,多様な調査研究の蓄積が重要である。
こうした趣旨のもと,本特集は,国際比較,職業情報の収集,公的統計の分析,質的調査など,アプローチの異なる5本の論文を収録した。各論文は,異なる角度と方法論から働き方の実態と課題に迫るものであるが,それぞれ独自の知見を提示しており,社会調査の多様な可能性を示している。本特集が,今日の働き方の多様性と課題を理解するための手がかりとなるとともに,社会調査にもとづいて問いに答える営みの意義や難しさ,そしてその醍醐味を読者が感じ取る契機となることを期待したい。
高見具広「特集紹介」から抜粋
