「百人百景」京都市岡崎

本の概要

「百人百景」京都岡崎 表紙
  • 「百人百景」京都市岡崎
  • 村松 伸+
    京都・岡崎「百人百景」実行委員会  編
  • 発行  京都通信社
  • B5変判  96ページ
  • 定価 1,600円+税
  • 国内の送料は無料です
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「百人百景」の実施概要

京都市左京区岡崎での撮影会は、京都・岡崎「百人百景」実行委員会の主宰によって2012年3月4日の日曜日、10時から16時30分にかけて136人が参加して実施された。

応募と参加者

参加者は、ウェブサイトや京都市内の大学、ギャラリーなどで配布したチラシ、それにツイッターやフェイスブックなどで知った人たちで、参加申請はウェブサイトで受けつけ、これに3人の招待作家が加わった。

編者紹介

村松 伸 むらまつ・しん

総合地球環境学研究所教授。1954年、静岡県袋井市に生まれる。東京大学建築学科卒業後、中国清華大学に留学。工学博士。ソウル国立大学客員研究員、東京大学生産技術研究所教授などをへて現職。専門は、アジア都市・建築史、まち環境文化遺産保全学、まち環境リテラシイ。第15回大平正芳賞(1999年)、社団法人日本建築家協会ゴールデングローブ賞2011特別賞などを受賞。
おもな著書に『上海‐都市と建築』、『中華中毒』、『シブヤ遺産』などがある。

千年の伝統の視線で、
千年後の京都を構想する

日本を含む東アジアには、一つの景色を多面的に、あるいは多数の景色を一つの視点で見る伝統がある。この大本となったのは、10~12世紀のころ中国で流行した洞庭湖の風景を山水画に描く瀟湘八景(しょうしょう はっけい)である。瀟湘は八つの名所のある風光明媚な水郷地帯として知られ、山水画の伝統的な画題ともなった。この様式は朝鮮半島やベトナム、日本へと伝播した。とりわけ日本では江戸期に開花し、19世紀半ばの葛飾北斎の『富嶽三十六景』や歌川広重の『名所江戸百景』に連なったことは、よく知られている。人、自然、建物、大地などが異なった姿で切り取られ、魅力あふれる絵筆で描かれている。

2012年3月4日、私たちは京都市岡崎地区で2人のプロカメラマンと、134人のアマチュアカメラマンが、各人27枚の写真を使い捨てカメラで撮影するイベントを開催した。このとき撮影した3600枚を超えるまちの写真の一部を解説・解析しているのがこの本である。この企画は、東アジアの千年が培ってきた豊かな視線と絵筆の伝統を背負うものでもあった。多くの瀟湘八景が描かれたその時期、京都の東側の岡崎の地では武家の邸宅や仏殿や塔が建ち並んでいた。この地はやがて荒廃して田畑となるが、19世紀末にふたたび勃興する。琵琶湖から運河が引かれ、平安神宮が造られ、動物園が開園した。明治の元勲や商人が名園を営み、やがて美術館や博物館が林立する異空間となった。

目次

  • 「百人百景」京都市岡崎

    「百人百景」の実施概要

  • 村松伸

    古都のまち環境をカメラで切り取る

    村松 伸

  • 昔の岡崎の写真

    京都の「近代」を詰め込んだ岡崎

    中川 理

  • 岡崎マップ

    岡崎マップ

  • 平安神宮

    岡崎のおもな構造物

新刊紹介

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  • 写真・文  吉村元男
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